Magnetic Pole

秩父太織のできるまで

秩父太織は、「製糸~染色~整経~織~整理」という全工程を、昔から続く手法と道具を使いつくられています。

江戸時代 幕府の衣冠束帯用に秩父絹(根古屋絹)が採用され品質堅牢から《鬼秩父》《鬼太織》 などと称され 秩父絹は全国に名を馳せていきます。同じころ養蚕製糸を営む農家が換金できない繭(くず繭・玉繭など)や糸(太糸・熨斗糸)を利用して野良着をつくりはじめます。それが 秩父太織 です。その丈夫さは人気となり、換金性もあったため各養蚕製糸農家の副業として製織も盛んになります。明治時期になると一部の農家を除き 秩父織物業は分業へと形態を変え、ほぐし模様捺染を創案し丈夫さと模様の 良さから秩父銘仙として飛躍していきます。銘仙は織目堅牢の絹織物のことで、江戸時代 目専・目千などの字があてられもとは丈夫な太織を指します。秩父太織は秩父織物変遷の過程を知る上で貴重な生産技術です。

秩父産まゆ

糸作り

秩父の養蚕農家が育てたまゆを使用しています。玉まゆ(2匹の蚕が一緒に作る大型のまゆ)など大きさが不揃いのまゆを混ぜて糸作りをしています。

糸作り

座繰り引き

材料(1釡分)
まゆ 1升升すりきり一杯
水 3リットル

①一升升すりきり一杯(約80~100粒)のまゆをお鍋に入れ水3リットルを足す
②強火にかけ沸騰したら水をさす。これを3回繰り返す
③菜箸で立ち上がったまゆの頭を撫で糸口を出す
④座繰り器に糸枠をセットし糸口を引っ掛け一気に一本の糸にする

糸作り

精練

引きたての糸にはセリシンなどのたんぱく質が含まれているため、艶も無くごわごわとしています。

精練前

袋練り

材(3㎏分)
石鹸 8%
重曹 8%
水 10倍容量

①袋に軽くねじった糸を入れる
②石鹸と重曹を水に入れ、中火にかけよーく溶かす。60℃になったら①を入れ強火で煮る
③80℃になったら火加減を調整しタンパク質が落ちるまで煮る

精練

染色

植物の茎や枝、葉などを煮て出来上がった染色液で糸を染めます。媒染をすることで同じ材料でも数種の色を楽しめます。

染色原料 染色

ログウッド染

材料(糸量に対して)
ログウッド 100%
水 20倍容量
鉄 %

①ログウッドをボールに入れ適量の水を加え20〜30分煮込みログウッド液を作る
②ログウッド液を糸量の20倍容量にし糸を約60℃で20分染色、のち軽く水洗
③ボールに適量の水を入れ鉄を溶かし、②で染色した糸を後媒染する。後水洗する

染色(コチニール・アンナット・黄金花・桑茶・大和藍・胡桃・くちなしブルー)

のりつけ

秩父太織に使用する糸にはほとんど撚りがかかっていません。その為スムーズに織れるようにしっかりとのりを付けます。

糊つけ

のりつけ

材料(一反分)
小麦粉のり 4リットル
経糸 12枷

①糸枷に適量の小麦粉のりをかけ、のりを糸の芯まで入れるようにしっかり擦りつける
②梁棒に糸枷を通し余分なのりを絞りとる
③糸枷全体にのりがつき、扱い易いようによく捌く

糊つけ

整経

出来上がる製品に合わせて長さと本数と柄を作ります。

整経

整経

60㎝巾ストール5枚分
筬 40羽/2本入れ
通し巾 1尺6寸6分
総本数 1328本
整経長 11メートル

巻き取り

機かけ

糸道に添ってソウコウ通し、筬通しをして糸に優しい織りの準備をします。

筬ぬき 綜絖通し

織り

製品に応じて使用する織機を選びます。昔ながらの道具を使い現代にあったモノつくりを心掛けています。

機掛け